武蔵野市にあります、旧赤星鉄馬邸が期間限定で一般公開されました。(4/16~4/20)旧赤星邸は実業家の赤星鉄馬が建築家アントニン・レーモンドに依頼して昭和9年に建てられたRC造住宅です。敷地面積は約4500㎡。本当に広いお庭に建つ建築面積392㎡(文化遺産オンラインより)の外部、内部の曲線が美しいモダニズム建築です。邸宅として使われていましたのは10年と短く、昭和19年軍に接収され、戦後は修道女会が購入、令和3年に武蔵野市へ寄贈。翌年の令和4年に国の登録有形文化財に登録されています。
門から入ると目に入るのはそびえたつ円柱に突き刺さったような大きな庇。緑の大木とのバランスがとても良いです。玄関とホールは開口部が沢山あるのでとても明るくて気持ちが良い空間です。そして続く螺旋階段と階段周りの曲線美の優雅さと意匠の美しさに見惚れました。手すりにも手抜き無しですね。この玄関と階段は鉄馬氏と客人用だそうです。(奥には家族と使用人用の玄関と階段がありました。結構普通^^)各部屋にもデザイン性が感じられます。レーモンドの奥様の家具デザイナーのノエミ・レーモンドが手掛けていました。当時の子供室の写真を見ましたが、広い空間をパーティションやベッドや机で空分けていた様です。合理的!そしてその家具もモダンでした。私が一番注目した意匠は収納のガラス扉に穴がくりぬいてあるだけの取手?です。鉄馬氏の書斎収納や他の収納にも使わていました。この〇のデザインは玄関の庇や書斎の壁のガラスブロックの同じです。こんな細部にまで!建築家と家具デザイナー夫婦の手抜き無しの遊び心を感じます。全居室が南の広いお庭に面していて開口部も広いので、とても明るいです。
庭(庭というよりもう公園レベルの広さですが。)は藤棚が見ごろでとてもきれいでした。いくつか椅子も用意されていましたし、シートを引いてくつろいでいる方もいらっしゃいました。お天気も良く、いい季節の公開でしたね。武蔵野市は今後どのようにこの建物と庭を管理、活用していくのか継続して検討中のようです。各部屋にいらっしゃるご案内の皆様もこの建物を大事に思っていらっしゃる気持ちが伝わってきました。先日見学いたしましたVILLA COUCOUといい歴史的な建造物の維持は大変な面が多いかと思いますが、次の世代に残していただきたいですね。私も今回拝見できて本当に良かったです。ありがとうございました。
おまけ・・・たまたま吉祥寺の名店「小ざさ」さんの情報を得たので、まずはもなかを買ってから向かったのでした!